Q 訴状が届いた場合の対応方法
法的手続の解説等 | 借金(債務整理/破産)
2021.01.10
A 金銭請求の場合は,例えば,分割での支払いを提案してみましょう。
という記事を掲載したところ,例えば,カード会社への支払いが遅れてしまったことが理由で訴訟を提起され,訴状が届いたけれども,どのように対応すればよいかとのお問い合わせがありました。そこで,以下では,
カード会社等から,支払えない金額ではないが,一括で支払うのはキツいため,分割での支払いを提案する方法を解説します。 |
送られてきた訴状の,請求の趣旨という部分を確認し,請求されている金額を確認してください。
通常は,
被告は,原告に対し,金●●●円及びこれに対する令和●年●月●日から支払済みまで年●●%の割合による金員を支払え
と記載されていると思います。
上記のような記載で,原告が請求しているのは,「金●●●円」の部分の金額と,「令和●年●月●日」から,完済するまでに発生する「年●●%」の遅延損害金(利息,金利ともいいます)の合計となります。
カード会社等が,訴訟を提起しているということですから,カード会社等の立場に立てば,「こいつは,カードを使った分のお金を払わないけしからん奴だ」と思っているかもしれません。しかし,逆に言えば,キチンと支払いをする意思があることを示せれば,無理な支払い(なにがなんでも一括で払え!とか)を要求することは通常ありません。
※実際,一括で払う資力のない人に対して,「すぐ払え」「明日まで払え」などと言ったとしても,回収の可能性はありませんので,よほど高価な財産(不動産等)を持っており,それを売却した場合には一括で支払いができる等の場合でなければ,分割払いでも確実に回収した方が合理的です。
Q 実際に分割払いの提案をする際は,どのようにすればよいのでしょうか。
具体的な方法は,請求されている金額,つまり,どの裁判所から訴状が送られてきたかによって異なります。
簡易裁判所から送付されている場合
簡易裁判所から送付された場合は,訴訟期日ごとに文書で貴方の主張を示しておけば,裁判所に行く必要はありません。したがって,遠方の裁判所の場合には,「請求について間違っているところはありませんが,全額を一括で支払うことができませんので,月●●●円ずつの分割払いで支払うことを提案します。なお,遅延損害金については免除頂ければと思います。」というような内容の文書を提出し,裁判所やカード会社の担当者に対して連絡することになります。
地方裁判所から送付されている場合
地方裁判所から送付された場合は,答弁書を提出しておけば初回の裁判期日には行く必要はありません。しかし,2回目以降の裁判には裁判所に行く必要があります(2回連続して行かなかった場合は,相手方の請求を認めたことになってしまいます)。また,地方裁判所から送付されるものは,金額が140万円を超えるものになりますので,もし訴訟の手続が分からないことが理由で訴状に書かれた請求が認められてしまったら大変ですので,弁護士に依頼して対応するのが無難ではないかと思われます。