訴状が届いたらどうする?【民事手続一般】
法的手続の解説等 | 民事訴訟一般
2020.07.20
【解説】
訴訟が提起されると,訴状や証拠と一緒に「第1回口頭弁論呼出状及び答弁書催告状(以下「催告状」)」が送られてきます(訴状が送達されると言います)。
催告状には,左上に事件番号と当事者が,右側にこれらの書類を送った裁判所の担当係が記載されています。また,第1回目の口頭弁論期日の日時と場所,答弁書の提出期限も書かれています。
【第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状の例】
事件番号 令和●年●月●日
損害賠償請求事件
原告 ●●●●
被告 ●●●●
第1回口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状
令和●年●月●日
被告 ●●●● 様
〒100-8920
東京都千代田区霞が関1-1-4
東京地方裁判所民事第●●部●係
裁判所書記官 ●●●●
電話 03-●●●●-●●●●
FAX 03-●●●●-●●●●
原告から訴状が提出されました。
当裁判所に出頭する期日が下記のとおり定められましたので,同期日に出頭してください。
なお,訴状を送達しますので,下記答弁書提出期限までに答弁書を提出してください。
記
期 日 令和●年●月●日(●)午後1時30分
出 頭 場 所 ●●●号法廷(●階)
答弁書提出期限 令和●年●月●日
出頭の際は,この呼出状を法定で示して下さい。
<用語解説>
- 被告:訴訟を起こされた者
- 原告:訴訟を起こした者
訴状が届いたら,答弁書を裁判所と原告に送付する
訴訟を起こされて訴状が届いた際,被告は以下の行動を取らないと,原告の請求を認めたものとして取り扱われます。
- 第1回口頭弁論期日までに答弁書を提出する
- 直接第1回口頭弁論期日に出頭して,原告側の請求について争う趣旨の陳述する
上記の対応がない場合,原告の請求を全面的に認めた判決を下されることになってしまいます。
したがって訴状が届いたら,一緒に送られてきた答弁書に必要事項を記載して,裁判所と原告(又は原告訴訟代理人)に送付しておくことが必須です。
答弁書を提出,もしくは当日原告の請求について争う旨の陳述をした後は?
第1回口頭弁論までに答弁書を提出しておくか,当日原告の請求について争う旨の陳述をした場合は,その後の裁判期日で原告の請求に対して認否・反論をすることになります。具体的には,訴状の内容を確認して,記載されている事実関係が合っているか,間違っているかを回答するという流れです。間違っている場合は,どの点がどのような理由で間違っているかを記載します。
訴状には事実関係の他に,法律的な主張がまとめられたものが記載されています。内容が難しいと感じる場合は,弁護士に相談しましょう。
訴状の内容について
訴状には,「請求の趣旨」として,原告の求める請求が記載されています。
例えば,金銭の請求をする場合は,
「被告は,原告に対し,金●●●円及びこれに対する令和●年●月●日から支払済みに至るまで年●%の割合による金員を支払え」
という形式で記載されているはずです。具体的な請求の根拠については,「請求の原因」にて記載されています。その他,当事者の住所・氏名等が記載されているのが通常です。
【訴状の例】
原告 ●●●●
被告 ●●●●
訴 状
令和●年●月●日
富山地方裁判所高岡支部 御中
〒123-1212 ●●県●●市●●町1-1-1
原 告 ● ● ● ●
〒933-0326 富山県高岡市立野美鳥町1-136
銀座高岡法律事務所
原告代理人弁護士 ● ● ● ●
電話 03-●●●●-●●●●
FAX 03-●●●●-●●●●
〒321-3333 ●●県●●市●●町2-2-2
被 告 ▲ ▲ ▲ ▲
損害賠償請求事件
訴訟物の価額 ●●●万円
貼用印紙額 ●●●円
請求の原因
1 被告は,原告に対し,金●●●円及びこれに対する令和●年●月●日から支払済みに至るまで年●%の割合による金員を支払え
2 訴訟費用は被告の負担とする
との判決及び仮執行宣言を求める。
請求の趣旨
1 …
2 …
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