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債務整理の手続き|3つの方法を分かりやすく解説

法的手続の解説等 | 借金(債務整理/破産)

2020.09.28

債務整理の手続き|3つの方法を分かりやすく解説

返済と支出のバランスが崩れて借入れが膨らみ、結果として返済できなくなってしまった場合には、債務整理の手続きによって経済的更正を図ることになります。

債務整理の手続きには、 任意整理手続 自己破産手続再生(個人再生)手続の3つがありますので、それぞれを分かりやすく説明します。

 

任意整理手続とは?

任意整理手続とは、弁護士が消費者金融業者等の債権者と交渉を行い、可能な範囲で支払いを継続し、借入金等の返済を目指す手続きのことをいいます。具体的には、収入に見合ったレベルでの支払いを継続できるよう、月々の返済額を減少させた支払内容での和解を行うのが目的です。

任意再生手続は、自己破産あるいは個人再生のような裁判所によって行われる手続きとは異なり、弁護士が直接債権者と交渉をします。そのため任意整理手続は、一般的には破産手続や個人再生手続よりも迅速に行うことができ、費用を抑えることが可能です。

ただし、債権者の個別の同意が必要ですので、債権者がこちらの支払計画を受け入れてくれない場合は、任意整理手続は行えません。

 

破産手続とは?

破産手続とは、裁判所を通じて債務者が持っている財産を換価・処分し、それによって得た金銭を債権者に公平に分配する手続きのことをいいます。債務者の財産で債権の支払いが不可能な部分については、免責という制度で債務を免除することとなります。破産手続を行う最大のメリットは、この免責という部分です。

破産手続は、同時廃止事件管財事件に分類されます。財産状況や負債の総額等から、同時廃止事件か管財事件かに分かれます。

 

同時廃止事件

破産法216条第1項には、「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは、破産手続開始決定と同時に、破産手続廃止の決定をしなければならない。」とあります。つまり、債務者の財産(法律上、「破産財団」といいます)がない場合には、債権者へ分配できるものがないため、裁判所の申立てと同時に手続きが終了するのです。

ただし、財産があるのに隠していた場合や、浪費やギャンブルによって債務を増やした場合には、免責不許可事由の調査が必要となり、同時廃止にはならないことがあります。

 

管財事件

一定の財産がある場合や、免責不許可事由の調査が必要な場合には、管財事件となります。

管財事件では、破産申立を行った弁護士とは異なる弁護士が破産管財人として選任され、債務者の財産状況を調査します。また破産管財人は、債務者がどのような経緯で債務を増加させてしまったのか、免責が認められるか等について聞き取り等を通じた調査を行います。

 

管財事件に必要な裁判所への予納金

一例として富山地方裁判所では、管財事件の場合、少なくとも合計で42万円以上の破産予納金が必要となります。まず、裁判所に対する予納金として、最も少額で21万5499万円を提出し、その後、破産管財人に対する引継予納金として20万円以上が必要です。その他に、裁判所へ申し立てをする際の印紙代や、納付する郵便切手代も含みます。破産者の状況によって必要額は変わりますので、詳細は弁護士に相談するようにしてください。

 

自己破産の手続きを弁護士に依頼した後に注意すべき点は?

実際には同時廃止事件として短期に処理されるはずだった事案が、不適切な行動をとってしまうことで、結果として管財事件として処理されてしまうことがあります。不適切な行動とは、

  • 弁護士に依頼した後にさらに借り入れをする
  • 高額な買い物をする
  • パチンコや競馬等のギャンブルをする
  • 友人など特定の人に対して一方的に借金を返す
  • 土地や建物をこっそり親族に譲る

などの行動です。

自分の行動が法的に問題ないかどうか分からない場合は、弁護士に確認するようにしましょう。

 

個人再生手続とは?

個人再生手続とは、事前に裁判所の承認を受けた再生計画に沿って債務を継続的に支払うことで、破産手続を取らずに債務者の経済的更生を図る手続きのことです。裁判所を通じて債務を一定割合に減額したうえで、債務者の収入の範囲内で債権者に対する支払いを継続します。

個人再生手続には、「小規模個人再生手続」と「給与所得者等再生手続」の2種類があります。ご自身の状況によって進めるべき手続きは変わりますので、詳細は弁護士に相談しましょう。

 

まとめ

債務整理の手続きには、任意整理手続・自己破産手続・再生(個人再生)手続の3つがあり、それぞれ進め方が異なります。どの手続きが最適かは、その人を取り巻く環境次第です。

債務整理の手続きについて不明点があれば、弊所までご相談ください。

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