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残業代はどのように発生する?|発生要件や計算方法を分かりやすく解説

法的手続の解説等 | 労働(人事/労務)

2020.09.21

残業代はどのように発生する?|発生要件や計算方法を分かりやすく解説

「従業員から残業代の支払請求を求められた場合、会社としてはどのように対応すればよいのでしょうか。」

このような相談をお受けすることがあります。従業員から残業代の支払請求を求められたとき、会社は適切な残業代を支払っていたかどうかを計算しなければなりません。今回は、残業代の発生要件や計算方法を分かりやすく説明します。

 

残業代はどのように発生する?

残業代の発生は所定の労働時間を超えて働くことが要件です。ですので、残業代がどのような場合に発生するのかを理解するには、前提である、労働基準法上の労働時間がどのように考えられているのかを理解する必要があります。

 

そもそも、労働時間とは?

労働基準法第32条は、労働時間の上限を1週間につき40時間、1日につき8時間と規定しています。この範囲内の労働時間を、法定労働時間といいます。

この労働時間規制を超えて労働者を働かせるためには、使用者と労働者との間で、一般に36協定(サブロク協定)と呼ばれる協定を書面で結ぶ必要があります(労働基準法36条)。36協定を締結して初めて、使用者は労働者に対して、法定時間外労働(=残業)をさせることができるのです。

 

従業員の労働時間は把握しなければならない

使用者には、労働時間の把握義務があります(労働安全衛生法 第66条の8の3)。もっとも、どのような方式で労働時間を把握しておくかについては、特別に法的規制はありません。厚生労働省の通達によれば、始業・就業時刻を確認する方法として、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間等を挙げています。また、裁判例によれば、タイムカードは労働時間を示すものとして高い推認力があるとされています。このため、労働審判や裁判等での対応を想定すると、タイムカードやICカードの形式で適切に労働時間の把握を行っておくことが重要です。

 

割増賃金の計算方式は?

割増賃金を計算するにあたっては、まずは就業規則等に割増賃金の規定があるかどうか確認しましょう。

就業規則・賃金規程に割増賃金の支払規定がある場合には、その定めに従って計算します。一般的には、残業代計算の根拠となる月の労働時間や、残業代計算の基礎となる賃金の範囲等が規定されていることが多いです。

一方、就業規則等に明確な定めがない場合には労働基準法上の規定に従って計算します。割増賃金の計算式は、月を単位として給与額を定める「月給制」を前提とすると、次のように求められます(労働基準法第1項・第4項、労働基準規則第19条1項4号)。

(一ヶ月の基礎賃金÷一ヶ月の所定労働時間数)

                       ×時間外・休日・深夜労働の時間数×割増率

①一ヶ月の基礎賃金を一ヶ月の所定労働時間数で割り、対象労働者の時間単価を算出する

時間単価に、割増賃金が発生した(法定労働時間を超えて働いた)時間数割増率を掛ける

 

割増率は、対象となる労働が行われた時間に応じて以下のように定められています。

割増率

 時間外労働(一日8時間以上又は週40時間以上)の場合 :0.25

 時間外労働(一ヶ月あたり60時間を超える場合)    :0.5

 休日労働の場合                    :0.35

 深夜労働(午後10時から午前5時の間)の場合     :0.25

 

一か月の基礎賃金とは

割増賃金の計算をする際には、家族手当などの一部の賃金について、除外賃金として基礎賃金から除外されるものがあります(労働基準法37条第5項、労働基準法施行規則第21条)。

除外賃金には、以下のようなものが挙げられます。

①家族手当
②通勤手当
③別居手当
④子女教育手当
⑤住宅手当
⑥臨時に支払われた賃金
⑦一ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金

「⑦一ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」は、具体的には賞与や一ヶ月を超える一定期間の継続勤務に対して支払われる勤続手当等をいいます(労働基準24条第2項但書、労働基準法施行規則第8条)。

 

指示していないにも関わらず残業をされた場合でも、残業代は発生するのか?

使用者は、労働者が自分の意思で残業を行ったとしても、残業代を支払わなければなりません。

サービス残業という名のもとに残業代を発生させない運用が行われている場合もありますが、これは明らかに違法です。労働者は、自らの労働を対価として賃金の支払を受け、生活の糧としています。労働契約が使用者と労働者の契約であり、使用者は契約に従った賃金を適切に支払うとの視点を忘れてはいけません。労働者が使用者のために労働した場合には、たとえ使用者の明示的な指示がなくとも、労働時間に含まれると考える必要があります。

 

労働者が就業時間を過ぎても仕事を止めずに残り続けてしまう場合は?

労働者が就業時間を過ぎても仕事を止めずに残り続けてしまう場合、まずは就業時間が過ぎているとして退社を促します。しかし、管理職がこの時間まで残っていない場合には対応ができません。そのため、運用体制を整えるのが有効です。具体的には、所定労働時間を超えて労働する場合は、事前に申請書を提出させ、上司の承認を必須とします。申請書には、所定労働時間を超えて労働する旨、その必要性及び想定される時間等を記載させます。

ただし、このような体制をとったとしても、労働者が所定労働時間を超えて労働していることを知っているのに退社を促す等の対応をしなかった場合には、黙示に残業することを認めていたと判断される場合がありますので、注意が必要です。

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